菊五郎・菊之助 役者のことば

2016年2月18日 「やりたかった『新書太閤記』」尾上菊五郎

少しずつ春の気配を感じる季節となりました。

今月は歌舞伎座に出演しております。

昼の部は、「新書太閤記」の木下藤吉郎・羽柴秀吉を演じております。

「新書太閤記」は原作を二十歳位の時に読み、今までテレビのドラマや歌舞伎以外の舞台でもありましたが、初演の祖父の写真をみたりして、柝を入れ、衣裳も歌舞伎風でいつかはやりたいと思っておりました。

まさか、自分とかけ離れている秀吉を演じるとは思っておりませんでしたが、年を重ねるとともに自分と違うから演じたいと思うようになって参りました。

今回は新たな台本ですが、出来てからの期間が短く初日が開いてしまい、ましてや、ほぼ出ずっぱりですので大変ですが、二十歳から四十歳位の秀吉を演じる訳ですからしゃべり方、動き方、衣裳なども歳により変え、人たらしの魅力ある秀吉をテンポ良く、簡潔に、ドラマチックに演じる事を心掛けております。皆様に楽しんで頂けるお芝居になっていると思います。

夜の部は「籠釣瓶花街酔醒」の繁山栄之丞を演じております。

34年ぶりです。成駒屋のおじさんの八ツ橋で勘弥のおじさんの栄之丞が素晴らしかった記憶があります。女性を惚れさせる役です。

3月公演も残り一週間となりました。昼の部はあまり出ない「新書太閤記」で、大顔合わせのお芝居です。是非、歌舞伎座でご観劇下さいませ。