菊五郎・菊之助 役者のことば

2012年1月17日 「寒中お見舞い申し上げます。」 尾上菊五郎

寒中お見舞い申し上げます。

今月は、新橋演舞場に出演しております。

新橋演舞場で新年を迎えましたのは平成17年以来の事です。

昼の部は、「加賀鳶」で天神町梅吉・竹垣道玄を勤めております。三年ぶり二度目です。

夜の部は、「め組の喧嘩」の辰五郎を勤めております。七度目です。

昼の部・夜の部共に鳶のお役ですが、梅吉は大名火消し、辰五郎は町火消し、同じ火消しでも鬘も衣装も違います。そういうところもご覧頂けましたらと思います。「加賀鳶」では、梅吉から道玄へ変わりますし、「めぐみの喧嘩」でも衣装替えがありますので舞台裏を走り回っております。

両演目共に世話物でございます。時代物は主役の邪魔をしないように後ろの風景に同化するようにじっとしているお役もありますが、世話物はとにかくあらゆるお役までもが重要で、役者同志が演じていて反応していかなければ面白くなりません。全員でお芝居をしなければ成り立ちませんので、出演者ひとりひとりの演技が大切です。又、今では使われなくなった道具、小物もたくさんでてきて、それを自然に使いこなさなければなりません。若い役者さん方には馴染みがなく、世話物も本当に難しくなってきております。

1月もはや中旬を迎えてしまいましたが、どちらの演目も粋が売りの江戸の華…のお芝居ですのでお正月気分を味わって頂けましたら嬉しく思います。

今年も、皆様に楽しんで、喜んで頂けますよう全力で進みたいと思います。

ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。