菊五郎・菊之助 役者のことば

2011年4月14日 「お客様はパワーです」 尾上菊五郎

今月も新橋演舞場に出演しております。

昼の部は「一條大蔵譚」で一條大蔵長成を演じております。

昨年7月の公文協(巡業)でも演じましたが、吉岡鬼次郎が成田屋(市川團十郎)さんであったりと、全く違う顔合わせです。

大蔵卿はストレートでなく、頭がいいと言うか…ずるいと言うか…そんな人間だと思います。阿呆な部分、侍の部分、公家の部分を際立たせて演じ、人間の屈折した面を出せればよいと思っております。演じる度に面白みが増しますが、でも難しいお役です。

夜の部は「絵本太功記」の真柴久吉を演じております。

初菊は何度か演じさせて頂きましたし、十次郎も演じておりますが、他のお役は演じた事がなく久吉も初役でございます。

光秀役者、おばあさん、立女形、きれいな男女と、とにかく役者が揃わないと出来ないお芝居です。存分にお楽しみ頂きたいと思います。

昼の部・夜の部共に、昨年の4月の歌舞伎座以来の成田屋さんとご一緒です。一年ぶりにご一緒出来楽しんでおります。

まだまだ、余震で不安な日々も続いております。私たち役者はお客様にパワーを頂きたいと思っております。又、私たちも皆様に少しでもパワーを差し上げられたら幸せだと思い日々舞台を勤めております。